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August 15 2024

平和旬間とは何でしょう

ジョニー トンバ ディパ神父

8月6日から15日までの10日間は日本カトリック平和旬間です。では、平和旬間とは何でしょう。世界平和の日ではありません。世界平和の日は、毎年1月1日に行う全世界のカトリック教会の行事で、聖パウロ六世教皇が呼びかけ、『戦争や分裂のない平和な世界が来るように祈っています』。それに対し、日本では平和旬間を大きく取り上げています。

『1981年、聖ヨハネ・パウロ二世教皇は広島で、「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことである」と述べられました。戦争を振り返り、平和を思う時、平和は単なる願望ではなく、具体的な行動でなければなりません。そこで日本カトリック教会は、その翌年、もっとも身近で忘れることのできない、広島や長崎の事実を思い起こすのに適した8月6日から15日までの10日間を「日本カトリック平和旬間」と定めました。「平和旬間」に広島教区と長崎教区では、全国から司教をはじめとして多くの信者が集まり、「平和祈願ミサ」がささげられます。各教区でも、平和祈願ミサや平和行進、平和を主題とした映画会、講演会、研修会、平和を求める署名などが行われます。』

聖ヨハネ・パウロ二世と日本カトリック中央協議会の呼びかけに応え、今年の平和旬間のテーマは『いまこそ平和を。苦しむ人々の声に耳を傾け応えていこう:Peace now! Listen & respond to the sufferers』です。姫路地区の各小教区でも平和旬間行事が予定されており、姫路教会では、『平和を祈ろう』というテーマを決め、8月11日10時ミサの中で平和のために祈ります。そして11時15分から『詩と歌で綴るコンサート』が予定しています。

佐用教会では、7月27日から3回にわたって平和にちなんだ映画を見る予定です。また、8月6日には広島に集まって平和のために祈る方々と一致して教会の鐘を鳴らす予定です。

さて、これらの行事で皆が望んでいる平和は実現するのでしょうか。1982年から皆様が毎年平和のために祈り、平和旬間行事を行うことで平和への大きな一歩を踏み出しているとは思いますが、これだけでは十分とは言えません。日本の教会は今後さらに国際的になっていくことでしょう。平和旬間行事は日本の信者だけに限らず、日本に住み、暮らしている外国人の信徒たちにも関係があるはずです。ですからキリスト者としてまだまだ努力が必要なのです。平和の戦いは8月6日から15日までで終わるものではなく、平和を勝ち取るために毎日の戦い、努力、祈りが必要です。キリスト者として、何よりもまず、家庭内の平和、教会内の平和、「小教区共同体内の平和」のために日々努めなければなりません。これこそ平和旬間行事を通して願い求める平和の土台、基礎だと思います。この基礎を築いた上での取り組みが、国と世界の平和につながることでしょう。

年間第17主日(B年)の第2朗読を常に心に留めましょう。『神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。』(エフェソ4:1-3)。平和によって霊による一致が実現するのですから、わたしたちは、平和旬間行事を新たなスタートとして、キリスト者になるよう努力するのです。

主イエスの山上の説教『平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる』(マタイ5:9)はどうでしょう。平和によって得られる姿は私たちが目指すものであるはずです。

8月の日本の教会の意向は『世界の平和』(教皇フランシスコCALENDAR 2024)です。わたしたちは真に世界の平和を願っているはずです。その願いはこのような祈りで表されるでしょう。『憎しみや敵対心によって人の命を奪い合い傷つけ合うことを終わらせ、世界が平和への歩みを始めることができますように。』(祈りのカレンダー2024.祈祷使徒 編)

このようなことばを心に留め、わたしたちは粘り強く、平和のために頑張って行きましょう。そして、わたしたちの祈りをより深いものにし、行動につなげるために、教皇フランシスコの勧めの言葉で黙想することにしましょう。『どうやって平和の種を蒔くのでしょう。たとえば、陰で他人の悪口を言うのを止めなさい。それだけでも、平和をもたらす人になれるでしょう。』

この平和旬間に行われるわたしたちの祈りが世界中の平和につながりますように。