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「風」巻頭言

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2023年12月

主のご降誕と新年に寄せて

ジョニー トンバ ディパ神父

親愛なる姫路教会及び佐用教会の信徒の皆さん、主のご降誕と新年のお喜びを申し上げます。

2023年の一年を通して私たちを守り、クリスマスを祝うことを許していただき、新しい年に向かわせてくださったいつくしみ深い神に感謝いたしましょう。日本でクリスマスを祝うのは私たちカトリック信者だけではありません。商店街のイルミネーションやあちこちのデパートに飾られたクリスマスの装飾を見れば分かるでしょう。ただ、デパートや商店街などのクリスマスはビジネスしかにすぎません。では、私たちクリスチャンにとってクリスマスとは何なのでしょうか。その質問に対してどのように答えたら良いのでしょうか。

クリスチャンの場合は、クリスマスというのはイエス・キリストがこの世に誕生したことを記念する日です。教会は5世紀頃から、冬至の頃に行っていた太陽神を祝う異教の祝日をイエス・キリストの誕生日として祝うようになりました。実は、イエス・キリストは「12月25日」にお生まれになったのではなく、本当の誕生日は分かっていません。当時は誕生日を祝う習慣がありませんでしたし、その誕生日のことが分かると、イエス・キリストはもはや神様ではなくなってしまいます。ヨハネによる福音書1章1節を読めばわかります。「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」と書いてあり、この言とはイエス・キリストのことを指しています。復活の聖なる徹夜祭には、復活のろうそくの祝福を行います。その時、司祭は次の言葉を唱えながらろうそくを祝福します。『キリストは、きのうと今日、初めと終わり、アルファとオメガ、時間も永遠も、彼のもの、栄光と支配は彼に、世々とこしえに。アーメン』。こういうわけで、私たちがイエス・キリストの誕生日を知らなくても、当然なのです。12月25日にキリスト者は、この日を「世の光」であり「正義の太陽」であるキリストの降誕の日として祝うのです。

クリスマスという言葉の語源は、古英語(アングロサクソン語)のCrīstes mæsseで、現代英語に直すとChrist’s Massすなわち「キリストのミサ」から来ていると言われています。「キリスト」とは、救い主の意味で、イエス様のことです。「ミサ」とはカトリックのキリスト者が最も大切にしている礼拝で、端的に言うと「最後の晩餐の記念」を表しています。

クリスマスは降誕祭を意味しますが、その後主の洗礼の祝日まで降誕節が続きます。降誕節には、主の降誕の記念と主の公現の追憶が行われます。これは過越の神秘の祭儀に次いで教会が行ってきた最古の習慣の一つです。今回の降誕節は12月25日の主の降誕の祭日から始まり、主の公現の祭日(1月7日)を経て主の洗礼の祝日(1月8日)まで続きます。なので、降誕節の間に新年を迎え、1月1日元日には神の母聖マリアの祭日を祝います。そして同じ日に世界平和の日も祝います。その起源は、1967年12月8日に遡ります。パウロ六世教皇は、ベトナム戦争が激化する中、来る1月1日を平和の日とし、平和のために特別な祈りをささげるよう呼びかけました。それ以来、全世界のカトリック教会は毎年1月1日を「世界平和の日」とし、戦争や分裂のない平和な世界が来るように祈っています。それでもなお、あちらこちらで戦争が続いています。ウクライナやロシアの戦争、ハマスとイスラエルの戦争、アフリカ大陸の国々の間でも戦争が行われています。それだけではありません。戦争のない国であっても人々の間に分裂が見られます。家族や教会共同体であっても例外はありません。ですから、2024年を通じて、私たちの小教区共同体でも平和が実現しますようにと祈りましょう。

皆様、この一年間大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。いよいよ新年を迎えます。2024年もどうぞ宜しくお願い致します。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。